「確かにお腹は出てきたけど、50代でこの体型なら、普通でしょ」
そうやって自分を納得させている50代の方は、決して少なくありません。
実際「数ヶ月〜1年で一気に太った」という方は稀で、体型の変化というのは、緩やかなものです。
急に太るわけでも、急に動けなくなるわけでもありません。
だからこそ、多くの人が「運動習慣を身につけるべき」ということがわかっていても、
「もう少し落ち着いてから」
「本当に必要になったら」
と先延ばしにしてしまうのです。
もちろん、それでもすぐに問題が起きるわけではありません。しかし、変化がゆっくりだからこそ、気づいたときには「まだ大丈夫」と言えなくなっていることもあります。
今回のホリマガでは、運動を先延ばしにしがちな50代の方のために、「今の生活を続けた場合、5年後・10年後の体にはどんな変化が起こりうるのか」を、医学的な視点も交えながら整理します。
慌てたり、不安になる必要はありません。まずは、今の自分の立ち位置を一緒に確認するところから始めてみましょう。
目次
なぜ50代は運動を先延ばしにしてしまうのか

“やる気/性格”ではなく“状況”の問題
50代にもなると、ことあるごとに「運動をしなければ」と思うものです。
- 健康診断の結果を見たとき
- 階段で息が切れたとき
- 若い頃の写真をふと見返したとき
頭ではわかっている。家族からも「意志が弱い」「怠け者」と後ろ指をさされている。
それでも重い腰が上がらない、という人は多いはず。
ですが、50代の運動先延ばしは、意志や気合の問題ではありません。原因は「状況」にあるからです。
- 職場ではポジションを与えられており、責任が増えている。
- 家庭内での役割もあるため、趣味・余暇の時間を確保しづらい。
- 運動不足、体型変化により体力が落ち、気軽に運動を始めにくくなっている。
その結果、一度始めてみても続かないことが多く、その続かなかった経験が、次の一歩をさらに重くします。
「静かな老化」ーーーそのままの体型、5年後・10年後はどうなる?

運動の先延ばしが生む、「静かな老化」
重い腰が上がらず、なんとなく運動を先延ばしにしてしまっている50代の体の中では、見えないところで老化が着実に進行しています。
| 筋肉量の低下 | ・代謝が落ちるため、お腹・背中に脂肪がつきやすくなる。・体温が低下し、免疫力が落ちやすくなる。 |
| 疲れやすくなる、回復力が落ちる | ・「運動しない生活」に体が慣れてしまい、少しの運動で疲労を感じるようになる。・これにより、さらに運動を始めるのが面倒になる。 |
心当たりのある人も多いはずですが、一方でこの「静かな老化」は、「そういう歳だから」「生活に支障があるわけじゃない」という言葉で片付けることもできます。
結果、「まだ大丈夫」と思い続けられる、というわけです。
そのまま先延ばしを続けると、5年後・10年後はどうなる?
生活習慣病は「無症状」のまま進行する
- 血糖値
- 血圧
- 中性脂肪
- LDLコレステロール
これらの数値は、生活習慣病の中でも糖尿病・高血圧・高脂血症と関係の深い数値です。
以下は、これらの主な症状と、放置した場合にリスクの高まる合併症の一覧です。
| 生活習慣病 | 主な症状 | 放置すると…(リスクのある合併症) |
| 糖尿病 | ・喉が渇きやすい・尿の回数が増える・疲れやすくなる | ・視力低下・失明のリスク(糖尿病網膜症)・腎機能低下、透析が必要になることも(糖尿病腎症)・手足のしびれ、感覚低下による壊死(糖尿病神経障害)・心筋梗塞・脳梗塞のリスク増加(動脈硬化の進行) |
| 高血圧 | 肩こり、頭重感、めまいを感じることがある | ・脳卒中(脳出血・脳梗塞)・心筋梗塞、狭心症・心不全・腎機能障害・動脈硬化の進行 |
| 高脂血症(脂質異常症) | 血液検査で中性脂肪やLDLコレステロールの異常を指摘される | ・動脈硬化の進行・心筋梗塞・脳梗塞・狭心症・下肢動脈疾患(歩行時の痛みなど) |
「主な症状」欄を見て、「大丈夫、心当たりはない」と思った人も多いでしょう。
しかし、これらの生活習慣病のやっかいなところは、初期にはほとんど自覚症状がないという点です。
痛みや苦しさを感じる前に、数値だけが緩やかに悪化していくのです。
「運動不足」が大きな原因の一つ
生活習慣病には、食事やストレス、睡眠など、さまざまな要因がありますが、医学的に見て無視できないのが慢性的な運動不足です。
体を動かす機会が減ると、筋肉量が落ち、血糖を処理する力や、脂質を代謝する力も低下しやすくなるのです。
これは体質ではなく、生活の積み重ね(生活習慣)によって起こる変化です。そのため、予防するには、生活習慣を変えるしか方法はありません。
10年後には、「選択肢」が減っている
「そうは言っても、病気になってから運動を始めれば何とかなるでしょ」と思う人もいるかもしれません。
しかし、10年後、「そろそろ運動を始めよう」と思ったときには、状況が変わっている可能性があります。
- 運動内容に制限がつく(病状によって、安全に運動できる条件が少なくなるため)
- 医師の指示を前提に考える必要が出てくる
- 数値改善が目的になり、楽しさが後回しになる
こうなると、運動は“選べる楽しみ”ではなく、“やらなければならない対策”へと性質を変えていきます。
今でさえ「面倒」「辛い」と思っている運動が、義務に変わるのです。
- どんな運動をするか
- どれくらい体を動かすか
- 楽しみとして続けられるか
今後もこうした選択ができるかどうかは、症状が出てからではなく、健診で医師から「少し気をつけましょう」と言われている今、どんな行動をするかで決まります。
だからこそ、まだ「選べる側」にいるうちに重い腰を上げるべきなのです。
50代は「まだ引き返せる地点」にいる

“今”が一番選択肢の多い時期
ここまで読んで、「やっぱり運動しないとまずいのか」と少し重い気分になった人もいるかもしれません。
ですが、ここで一つ、はっきりお伝えしておきたいことがあります。
50代は、まだ“手遅れ”の年代ではありません。
多くの生活習慣病や体力低下は、ある日突然起こるものではなく、長い時間をかけて進行します。
裏を返せば、長い時間をかけて軌道修正できる余地がある、ということでもあります。
実際、健診で、
「少し気をつけましょう」
「経過を見ていきましょう」
と言われているうちは、運動内容に厳しい制限もなく、生活を大きく変えなくても間に合う、“最も選択肢が多い時期”なのです。
「運動=頑張るもの」というイメージを捨てよう
50代が運動を始めるにあたって最初にするべきことは、「運動=頑張るもの」というイメージを捨てること。
- 完璧な運動
- 毎日のハードなトレーニング
- 短期間で結果を出す
これらは全て不要です。50代がこれからも楽しく毎日を過ごすために重要なのは、
- 定期的に体を動かすこと
- 全身を使うこと
- 無理なく、楽しみながら続けられること
の3つです。
体は、使われなくなったから衰えただけ。使い始めれば、きちんと反応します。
筋肉も、心肺機能も、何十年も前の状態に戻る必要はないのです。これ以上落とさないこと。そして、少しずつ取り戻していくことが大切です。
まとめ
50代はまだ、
「どんな運動をするか」
「楽しみとして体を動かせるか」
を自分で選べる時期でもあります。
健診で「少し気をつけましょう」と言われている今こそ、生活を大きく変えずに運動を取り入れられる、いちばん選択肢の多いタイミングです。
「でも、いったい何から始めればいいんだろう」
そう思った人におすすめしたいのがテニスです。
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「運動を頑張る場所」ではなく、「動く習慣を生活に戻す場所」として、運動から遠ざかっていた50代の方も多く通っています。
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